いきいき元気なひと Vol.8

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1956年、静岡市生まれ。「豈(あに)」同人。現代俳句協会会員、国際俳句交流協会会員、日本文藝家協会会員。
句集に「イワンの馬鹿の恋」「振り返る馬」など。パリ日本文化会館客員教授。
「志戸呂焼 廣前心齋&俳書 恩田侑布子2人展」
H26.12.26~H27.1.4 渋谷東急文化村1Fギャラリー

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山河の愛
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 待ち合わせは、枕草子にも登場する藁科川の「木枯の森」を望む橋の袂(たもと)だった。この情緒ある名勝を案内してくれたのは俳人の恩田侑布子さん。昨年、俳句評論集「余白の祭」で第23回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した。恩田さんは、山あいの築180年の古民家で俳句を詠み続けている。「ここに住んでいると歳時記の世界の中にいるようね」。やさしい光と風と緑に包まれた穏やかな笑顔がそこにあった。

 「俳句の魅力って一瞬で胸に滴るんですよね。『朝顔の紺のかなたの月日かな』と石田波郷が詠んだその時の時空に自分をオーバーラップすることができる。名句を味わうことで、人生を耕すというか深めていく、共感し合うことができるんです。俳句をつくる時は、季語のなかに自分の感動を倒影していくんです。新しみや深み、煌めきを注ぎ込む。まさに俳句の喜びですね」

 恩田さんにおいしいお茶をいただいた。
「書物の世界と静岡の山河に心を育てられた。育ててもらった。夏に泳いでいた時に満山の愛を感じた。美しさ、清らかさすべて溶け込んでいる中で泳げる。私の俳人としての自然への愛は、まさに山河が愛を送ってくれている静岡のお茶と同じですね」

 句集3冊を出し、これからは生涯に本当に良い10句を作りたいと語る恩田さん。ただ今フランス講演を控え、フランス語の勉強中だ。一句、いただいた。

 富士に野に八十八夜の水走る

 さあ、来年もいい新茶ができますように。
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